2005/05/23

暗記

百首覚える

ありあけのつれなくみえしわかれより

まず前提として、選手は百首の歌はすべて覚えています。
それも、ただ覚えているのではなく、下の句が書いてある札を見たら、 すぐにその上の句が浮かぶという状態になっています。
例えば右のような札を見たら、あたかも友達の顔を見て名前を思い浮かべるかの ように、「ありあ」という上の句が浮かぶのです。
Internet Explorerをご使用の方は、図の札の上にマウスカーソルを置いてみて下さい。 この歌の上の句が出ます。選手はこんな感じで、取り札と上の句を結びつけて覚えています。

(より正確に言うと、ここで札の「名前」として覚えている上の句は、「5・7・5」の 部分全部ではなく、「決まり字」と言われる上の句の先頭数文字分です。 このことは後で説明します。→決まり字について

こう言うとなにかすごく特殊なことを身に付けなければならないようですが、 決してそんなことはありません。「百人一首なんて1首か2首しか知らないよ」と いう状態で始めても、1ヶ月もすれば自然に身に付いてしまうものです。



50枚覚える

さて、話を戻します。
札を並べて準備ができたら、15分間の暗記時間があります。
その時間、選手は場に並べられた50枚の札の位置をしっかりと頭に入れます。
ただ漫然と覚えるのではなく、「友札」「空札」に留意しながら、実際取るときに どのように動いていくかも考えていきます。
この暗記時間中は、席を外したりすることはできますが、相手や他の選手が集中している 時間なので、音を立てたりしないで静かにしていなければなりません。


素振り

15分間の暗記時間の内、最後の2分間になると合図があり、 素振りをしてもいい時間となります。
「払う」の項目で説明しますが、 札を取るときは鋭く腕を振り抜き、そのあとで柔道の受け身の要領で畳をたたきます。 このときに音が出ますし、動きも大分ありますから、暗記時間中の他の選手の集中を 妨害しないため、素振りはいつでもしていいわけではないのです。 そこで、この暗記時間の最後の2分が、素振りをしてもいい時間とされているわけです。

さあ、暗記時間が終わるといよいよ取るです。

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